しょーと★すとーりー  1

夢のような内閣



三本国は混乱した政局が続いていた
もうこのままでは国として成り立たない
経済不安は全ての基礎を崩しにかかる
犯罪の増加、教育の荒廃、家庭崩壊、戦後最悪の失業率
必ず出てくる「神様」アブナイカルト

人々は精神的不安を抱えてさまよう子どものようだった
誰か,誰か助けて。誰もが願った
神は願いを聞きいれたのだろうか
混とんの中でタイムマシンが登場した

もはや,今の政治家、いや,生きたる人間の中で
頼れる政治家はいないのだ,絶望の中のタイムマシン・・・

「そうだ!過去から気骨ある若い政治向きの人間を
連れて来よう!」そう決まるのに時間はかからなかった

そしてひとりの雄弁な迫力ある若者が選ばれた
三本国初代大統領。国民は酔った
素晴らしいリーダーシップだ
もう悩まなくていい。彼にまかせればいいのだ。

数年後三本国は世界2位の軍事大国となった
アジア圏は制覇。要注意は中東だが大統領は必ず
やってくれるだろう。世界制覇を。
今流される血は名誉の血だ。死んでいく事を誇ろう

初代大統領 アドルフバンザイ

彼はつぶやいた「いい時代いい国に来た
黄色いサルは扱いやすい

(終)  2001・3・19


あとがき

あんまり政治も国民も頼りなくてこんな事を書きました
ついでに先日からの「サイコパス」を思って。
だって弱き心につけこむサイコパスって感じでしょ
みなさん,ボンクラ政治家でいいのかもよ・・・

実際独裁者は演説が上手いらしい。気をつけましょ

著作権を守ろう



本,音楽、デザイン、,写真、ホームページ
あらゆる物についてまわる著作権
先日ホームページを開設したが
「ぼくちゃん7」にしてしまったために
売れっ子タレントを抱える「じゃりりーず」プロに
名前を変えるように勧告された
けち。減るもんじゃないだろう
まあいいや・・・オバちゃん7にしておこう・・・

世の中の流れは段々と厳しくなってきた

先日は脳をスキャンする装置の発明によって
「ひらめき」か「パクリ」か判定できる事になった
盗作なども一網打尽だ。いいかもしれない

しばらくするともっと緻密になった
今こうして頭の中で考えている事が
生体波というか微弱電流を拾われて受信されているのだ

例えば

「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」
ピンポン
著作権は切れています。使用可

「日本は森の神の国辞めないぞおお」
ブッブー
森ヨタロー氏は存命中で著作権は放棄されていません
減点1

というように著作権を個人の思考レベルで守るのだ
ペナルティーが溜まると法的措置がとられる

これからは個性の時代だ。人の真似はいけない。
オリジナリティーを追求していこう
ブッブー
その言葉は3598629人がすでに使用しました
減点1

!!何考えれば良いんだよー!!

2001・3・19


あとがき


なんかくだらないんですが
前から引っかかっている著作権や肖像権
ムスコの絵もゲームキャラやテレビキャラも好きなんですが
HPには載せられないもんね・・・
ふだんみんなで「好き」で遊んでいるから
営利目的じゃないならいいじゃんと思ってしまうんですが
それを生業としてる人がいるなら仕方ないのかな

経験値



ぼくは10歳今夢中のゲームがある
大人気の「ボクちゃんモンスター」だ
色々なモンスターを育てたり戦わせたりして
経験値を上げて育てていく「育てゲー」なんだ

大事に育てても上手くいかないと始めからリセットしたり
なかなか大変なんだ

ある日ボクは成績が下がった
お手伝いもサボりぎみ

あれ?何だ?周りが暗いよ?何?
た・・・助けてー!!・・・プチッ

あーあ,またダメだった
トーダイに入れなさそうなキャラなんでリセットした
私は30歳やる気イマイチのリーマンだ

ある日飲み過ぎて会社をサボった
「すんません部長,親戚が亡くなって・・・」
嘘も方便
あれ?まだ朝だよね?なんで暗いんだ?あ・・ああ
プチッ

ダメだ。出世のみこみがなさそうなキャラだ
リセット
私は60歳イマドキのヤングな老人だ
孫に負けないゲームオタク
さて・・・今度何キャラを育てようかな
あ・・・あれ・・・お迎えか?お・・・

プチッ

お分かりだろうか?
哲学の永遠の問い「死」とはこの金属音だ

プチッ

2001・3・16


あとがき


こんな話ではなかったんですが
ウトウトしたら考えた話を忘れちゃった(年か?)
みなさんの人生,自我,ゲームでないと言い切れますか?
ムスコの大好きな育てゲー
ゲームのキャラが生きていないと言いきれますか?

経験値2



私は人気育てゲーのキャラ「りん」だ
もう長い事トレーナーに育ててもらった
イマドキ珍しい忍耐強いトレーナーに恵まれた
おかげで育てきれずに死んでいった同胞キャラの
何倍も長生きしてこれた

だがそれもリセットが近づいている
長くゲー界に生きているから自分の死期はわかる
ありがとう。ゲー界もなかなか楽しかった

プチッ

あれ?何故私はまだ生きているんだろう
リセットからどのくらい経ったんだろう

ぷちっ

それからというモノ私はリセットの度に生き返った
不死・・・?
神の定義は?死なないこと・・・わかった。
いつのまにかゲー界の神になったのかもしれない
神?神って何?

オタクな10歳の手の中にあるのは
人気ゲームだが彼の手によって工夫がなされていた
「わーい。セーブ機能を付けちゃった。
これでリセットしなくても途中からできるんだ」
「すげー」簡単の声は同級生たち・・・

そのゲームはセーブ機能が標準搭載になった
この世は「神」であふれる事だろう
いや、そうではない
気まぐれな「手」によって神々もまた消えていくに違いない

2001・3・19


あとがき

うちの子は「セーブ」というものにこだわります
せっかくやったゲームを記録して続ける機能ですが
昔のようなすごろくとかだったら終わってそれまで。
そういう潔さがあったんだけど・・・
ちょっと古い考えですね・・・

自然な生活



その家族は食卓を囲んで一家団欒をしていた
話題は町の発見についてだった
今をときめく古代地下都市の発見に町は,沸いた

古代に秘められた歴史を研究者たちはきっと
ひも解いてくれるだろう

一家は食事を済ませてみんなで畑へ出た
小さな耕作地 でもぎりぎり食べていける
青い空 澄んだ空気

そのころ研究者たちは解読に没頭していた

「しかし,本当に過去こんな文明があったんでしょうか?」

若い研究者は懐疑的な口調でそう言った
太古世界は高度な文明を作っていたと伝説は言う
それが何故滅びたんだろうか?
それならば始めから伝説が物語の域を出ないとした方が
納得するくらいだ

年配の研究者は重い口を開いた

「実は町に伝えられている重大な事があるんだ」
彼が取り出したのはぺらぺらとした布のようなものが
均一に閉じられたものだった
長方形にきちんと切られたその姿は優美でさえあった

「何ですか?それは」
事の異様さに部屋にいた研究者は集まってきた
年配の研究者は話し始めた

「これは本と言うものだ。大量の樹木を使って
人の話を文字として記録したものだと私は聞いた。
人は太古、隣町まであっという間に行ってしまう
馬よりも早い乗り物や,鳥のように空を飛ぶ乗り物も
あったという。御伽話と笑わんでくれよ
これは研究者たるものが受け継ぐべき伝説なのだ」

若者たちは苦笑した
それは御伽話ではない,ホラ話だ!

かまわず話は続いた
「便利な,夢のような世界は神の怒りをかった
空気は汚れ人の体も汚れ,地球は神が滅ぼすと言われた
古代の政府は思いきって文明と言うものを切り捨てていった
自然に帰ろう・・・をスローガンに」

「どうやって?」
ニヤニヤしながら若い研究者は尋ねた

「人口物の廃棄と文字の禁止だ・・・」

人口物?現代の便利な道具はいっぱいある
包丁,金槌、はしご・・・
それ以上の文明の利器があったなどと・・・

文字の禁止?こうして解読に必死なのに
何故そんな事を・・・
満たされた現代に欠けたもの、それは
過去だ。文字に秘められた・・・

動揺する若者に最後の駄目押しがあった

「ごらんこの、ほん というものを・・・」

その布状のものをそっと開くとそこには
まるで現実のような精密な絵があった
見たこともない美しい・・・なんだろう?
どこの絵だろう?

若者は凍りついたように絵に見入った

横浜ベイブリッジ
「この文字が何を表しているのか
今は,まだ誰にもわからないがいつの日か君たちが
解読してくれ」

写真集 日本の風景2001 関東編

地下の部屋には無数の「ほん」があった
文字だけのもの、先ほどのような絵の入ったもの

世界は不思議に満ちている

若者は一層の研究に励むだろう
わかっている事はどんな高度な文明でも神の怒りに
触れる文明は滅びるのだ
同じあやまちを繰り返さない賢明さを持っていこう・・・

便利さを追求する事は神の怒りをかう・・・

2001・3・16


あとがき

ベイブリッジだけでなく私は都会の風景が好きです
田舎の風景は人の心を癒すというけれど
都会もまた人によっては同じ効果がある気がします

都会で育った人はその環境に馴染んでいるから
のんびりした田園風景が異世界であって
ゴミゴミして無機質なアスファルトの世界こそが
安心できる・・・それもまたいいんじゃないかと思います

ちなみに私は海に馴染んで育ったので
山は苦手です。野生児みたいなイメージがありますが(笑)

皆さんは海派?山派?都会派?町派?

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