ショートもどき

 

増殖

昔 町は10代のコギャルで溢れかえっていた
BGMはもちろんヒップポップ系かユーロビート系か・・・
ファーストフード店はいたる所にあり、若者が文化を作り
経済を支えていた

しかし、時代は少子化傾向だった
ワカモノは年毎に減り続ける わずかしか生まれない子どもは
家の宝 国の宝であり 大切に世間皆で育てられる
結果子どもは 昔エリートと呼ばれた者たちと遜色ないくらいに
優秀に育っていった
バカモノ・・・いや、ワカモノがたむろしていたトウキョウの町は
キャンパスのある閑静な町か、ウォールストリートのような
スリリングな町並みに変わっていった

さてさて・・・恐怖と暴力の象徴だったシブヤやシンジュクは
さぞや清廉な街になったろう・・・ちょっと散歩に行ってみようか

久しぶりの駅・・・ん??
私は目を疑った。昔消滅したはずのヤマンバやヘソダシ、
短縮した日本語・・・??コギャルは生きていたのか?

そうコギャルは生きていた。正確には長生きしていたのだ
不潔にも耐えられ、脳みその容量の小さい彼等人類は
増殖していた(注:脳の容量の少ない単細胞生物ほど生命力は強い)
ただし・・・コギャルたちの身の上にも時間は等しく降り注ぐ。
コギャルは今オバギャルとなっていた

その昔我が世の春を謳歌してきたコギャルたちは引退はしなかった
不衛生・無知・無防備・・・コギャルの3原則は生きていた
トゲヌキジゾウ?冗談じゃない、あんな年寄りの場所は行かない
しわだらけの顔もたるみきった身体もド派手のメイクと奇抜な
ファッションで見えなくなる コギャル文化は永遠だ

日本のほとんどの主要都市は二極化している
イマドキのオバギャルのスラムと、イマドキのエリート子弟の
アッパータウン・・・確実に国の中枢に近づいてゆくアッパー
新しいこどもたちは、オバギャル撲滅は考えていない
何故ならば国民の多くが馬鹿なほうが政治はやりやすいからだ

飲まず食わずの戦争を生き抜いた世代の年寄りとまた違う
豊か過ぎる時代に青春を送ったオバギャルは、誰に教えられなくても
戦前の年寄り並の生命力を有している 

ああ・・今日も暑い。シャワーを浴びたい・・・いや!だめだ!
このくらいでシャワーなどといったら生命力が弱くなるぞ
今このページをごらんのあなた、何?毎日入浴?この非国民!
限りある水資源は地球の血液だ。ムダ使いはいかん!
コギャル様オバギャル様を見習って無入浴をムネとしなさい!
お風呂に入らない分だけあなたの霊力は向上するであろう・・・
             (以上 経典GOKIBURIより)

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先日のお風呂に入らないコギャルのネタです
何日も暑くて仕事から帰るとシャワーという人は多いでしょ?
ベタベタして気持ち悪いですからね。しかーし、先日非難した無入浴
確かに風呂に入らなくても死ぬほど日本の衛生環境は不潔でないから
下水やその他重要な衛生ポイントを清潔にしていれば、あとは
「気にしない」ことにすれば?東南アジアなどに旅行して
何を食っても大丈夫になる・・・かも?

先入観とは恐ろしい!最近コギャル系ファッションの人を見ると
「この人風呂入ってるかな?」と思ったり(笑 ごめんコギャルの方

 


   2004年

(ジョージ・オーウェル 1984と
それに答えたというアントニイ・バージェイズのエッセイ・ノベル
1985・・・そしてそれから20年2004は??)

オーウェルの1884は完全に管理された世界を描いていた
ところが、実際は人は管理されたくはない生き物で
欲望が動物一強いものだから、東側社会は崩壊していった
自由が一番 私利私欲が一番 そう、それがニシ側社会の基本だ

1995年 世界は少し変化が見られた
そりゃそうだ。世界中の人間が欲の皮が突っ張っているのだから。
自分だけが豊かならイイと、皆が思っている
敏感に時代を反映するのはいつも若者達で世界共通語も生まれた
「めーわくかけなきゃいいじゃん」「ジコチュー」
60億を越えた人間に同じ数のルールがある
それは60億の国が地球上に存在するのと同じ事である

60億の国々・・・・・・
食い物も何もかも物質は不足する
段々と自由はあれどモノの所有の差は開いていった

2001年どこの国でも無法地帯のこの状況にうんざりし始めて
カリスマを求めるようになった
元先進国某国でも熱弁を振るい人目を引く人物が現れた
オオイズミジュンジロウ 俺に任せておけ!的な熱弁に
国民は心酔していった あの方なら何とかしてくれる!
圧倒的支持により彼は超法規的権利を有する初代大統領に
就任した

1984から20年 2004年
某国はどうなったか?そこは清潔で貧苦の差の少ない理想郷
であった。国民は飢えることもない。知的レベルも国の介入で
おちこぼれも「いなくなり」分数のできないダイガクセイなどという
非国民はひとりも「いなくなった」税金の滞納も「いなくなった」
国民は物質も政府から「与えられ」自由も政府から「与えられた」
国民は管理されたがっていた 自由はもう何の意味も無かった

イイ時代だ。誰もがそう思う「大統領のおかげである」

さて、入室厳禁の大統領特別室 端正な顔のその男は1冊の本を
覚えていた「シナリオ004792405」
彼は深いため息をついている
ああ、またこんなに暗記するのか。売れない役者の俺が
記憶力を買われてカリスマを演じている
でも、本当の俺はただの売れなかった役者なんだけど。
本当のカリスマはこれなんだけど・・・苦笑

彼の視線の先には旧型のキカイがあった
1984年ヒガシ製 1950年より指示は変更せず
指示内容:同胞の統括・粛清

彼は思ったたった3年前この国にいた「ムダな」国民たちを。
コギャルといわれ増殖した旧体制のジコチューたち
キンキラキンの好きな腹の出たエリート
文句ばかりで働かない下層階級・・・彼らはもう「いない」
彼らは「あの世」でも自由を満喫しているんだろうか?

食えるのがイイのか、自由なのがイイのか・・・
彼にはわかるはずもない

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えーっと。小泉批判してるのじゃありません。コギャル批判です
私小泉ファンだもん(笑)昨日テレビで汚いコギャルというのを
やっていて何日も風呂に入らないとか、部屋がものすごく
散らかっているとか・・・でも彼女たちは「これって流行ってる!」
と屈託がない。確かに日本人の衛生観念は異常に強くて
私も抗菌グッズなど行き過ぎだと思う、が、風呂は入れよー
パンツの洗濯くらいしろよー、と思ってしまうのである
パンツが汚れると裏返して履くというのがキョーレツであった

オヤジが汚いなんてよくいうよ。コンビニにいた頃さわやか系の
化粧品やあぶら取りなど買うのはオヤジが多かった。ハゲなどと
云うがハゲのどこが悪いんだ?カワイイ人はハゲでもカワイイ(笑)
風呂に入らない、漢字もわからないあんたたちにオヤジの良さは
わかりましゃーん(笑)でもうちのダンナ禿げてない(ごめん)
でももしもダンナがはげても全然オッケーだと思う

汚いコギャルが増殖すると???やっぱアメリカのDTのような
スラム化する気がする

以前かたずけられない人の中には脳の一部に障害がある場合が
ある、と知ったがそう云う人たちは仕方ないと思う・・・
が、そこから連想したのはもしかすると、コギャルの汚さは
その「障害」が増えているのではないかと云う事だ
何故ならジャンクフードや性病、切れやすい性格など
脳自体が変化しているような気がするからだ(そう云う説もある)
ってことは・・・日本の将来は??

こ・・・小泉さん経済改革も良いんだけど教育改革先って感じ!?

ムスコ10歳 数年後彼女ができてそーいうコギャルだったら??
ああー、今から泣けちゃうー(早くも姑根性 笑)

女性のあなた風呂入ってますか?男性のあなた、彼女は大丈夫?
でも・・・まあ水と安全は世界では高価なんだよね
風呂に入らないで平気なら水の節約になるかな?するとやはり
コギャルは出るべくして誕生した時代の申し子なのかもね
後世こう云われたりして「昔はお風呂に入ったんだって」
「えー?水がもったいない。昔の人って馬鹿じゃん」・・・・・・


以前読書かんそうぶんで紹介した「夜来る」だが
新しく長編になって刊行されていた。SFの古典名作だから。
6個の太陽に照らされる惑星ラガシュは昼だけの星で
夜の闇を知らない。その文明は2千年周期で破壊され
また新しく文明を花開かせる、と言う伝説があるが
事実だった。人々は日食の闇に精神が耐えられなかったのだ
・・・と言うお話

で、通勤の電車でふと思いついたパロディーをひとつ・・・

***********「昼来る」***********

惑星キューチは夜の星だ。満点の星空と時折横切る月の光で
人々は闇の美の文明を形成していた
それは見るものを皆清廉な気持ちにさせる「黒」の世界で
闇はやさしく人々を包んでいたし、人々もまたそれに答えるかの
ように礼節と清浄を旨とし、勤勉で温厚だった

ある日そのお告げはやってきた。カガクによって。
以前から危惧されていたがタイヨウという恒星から遠い為
地熱に頼って生命や文化を維持してきたのだが
人口も増えてきたしどうしても人口のタイヨウを作り
打ち上げこの惑星を照らさねばならない
このままでは惑星キューチは凍える死の星になるだろう・・・

幸いキューチには天然資源が多かった。人口タイヨウも
比較的容易に完成した。後は打ち上げたタイヨウを灯すだけだ

その日はちょっとしたお祭り騒ぎになった
光がやってくる!時折横切る月の何倍も明るいというタイヨウに
人々は心躍らせた・・・カウントダウン・・・3・2・1・0・・・

天空の暗闇も星も月さえも消えた
そこには光の洪水があった
吸い込まれそうな天空の青は底無しの恐ろしい光景だった
誰も口をきこうとしなかった

景色も全て変わっていた
町はやさしい闇が剥ぎ取られ、まだらのみすぼらしい家々が見えた
落ち着く黒い輪郭の山々も深い緑色に覆われ
風に揺れるさまは、まるで山の怒りのようだった
海はどこまでも青く天空との境もはっきりしない
まるで異次元の世界のようだ
隣に立つ旧知の友人をそっと見る・・・そこには
やさしい美しい彼女でなく顔の皮膚に何本もの筋のある醜い
中年女だった、鏡をふと見た・・・自分の顔・・・

そこには疲れ切った時間に勝てない醜い人間が映っていた

光の世界・・・それは醜い現実の世界だった
人々は絶望した
美しいと思っていた世界は全て闇の見せた幻だった
いや、ちがう、闇の世界が真実なのだ
これは光という、タイヨウという悪魔の見せるまやかしなのだ

人々の心は荒れた。秩序も乱れ文明は崩壊寸前だった

一部の良心の残った人々が人口タイヨウを停止する事にした
タイヨウが消えれば何世紀かのちこの惑星は冷え切る、が
それでも人々はそれを選択したのだ
闇の清浄と共に死ぬ道を。

タイヨウは消えた。人々は安定していった、が、以前のようには
いかないだろう。なぜならば我々は知ってしまったから・・・
闇に守られて見えなかった厳しい現実を・・・
そしてそれは悪魔の仕業であっても「真実」であるかもしれないと
心に巣食った疑念を・・・・・

鏡に映る美しい自分 黒と灰色の陰影がすべらかな顔
しかし、私の心に巣食ったあの光景醜かった自分・・・を
忘れられはしない

***********************************************************

夜来るの中で、闇を知らない人々が遊園地のアトラクションの
闇のトンネルで闇の恐怖を味あうシーンがあるのだが
問題はトンネルから出たずっと後にあった
狭いところ自体が恐怖の対象となってしまった
PTSDってやつですね。人は体験した事の無いことに遭遇した時
パニックになる事もありますね。それが他の人には何でもない事でも
人によって重大だったり・・・あーよかった昼も夜も知ってて


オクラホマ爆弾テロ犯人は今日死刑だそうだ
死刑反対派のデモもあるようだが、17人も殺してどう考えても死刑
死刑と言う制度があるかぎり執行はやむをえない

で、ショートをひとつ・・・

 

赤いボタン

ここに一つのボタンがある
このボタンを押すと、どこの誰かはわからないが
誰かが確実に死ぬ、というボタンだ
自分の手は汚れない、あなたは、ボタンを押すだけだ
ボタンを押してもいつもとあなたは変わらない日常を送れる
ボタンを押した後食事を取ってもいいし
恋人とデートしてもいい

さて、あなたはこのスイッチを押しますか?

ボタンは死刑執行に導入された
凶悪犯は許せないが死刑執行人は善良な人間で
彼等は自分の意思に背いて、手を汚して、処刑を行なうのだ
彼等の精神的痛みに配慮してボタンが開発された
ボタンを押すのは法務大臣
その覚悟(ボタンを自分の指で押す)がなければ法務大臣は
務まらないし、死刑執行書のサインもできない

そこから始まった赤いボタンは、文明の利器の常で
一般に流出し始めてしまった
自分の憎い相手を、手を汚さずに殺せるボタンは
いつしか「悪魔のボタン」と呼ばれた

無差別殺人を防ぐ為予防策も考案された、が、
人口増加や紛争などでちょい殺人(恨まれているような人)は
殺されても司法の手が回らなくなった
そこで・・・自分の憎い人を申請しておけばその人はいつか
死ぬと言うシステムだった

同時に申請者は自分もボタンを押さねばならない
そう、自分のボタンで誰かの憎い人が死ぬわけだ
ランダムにするのは罪の意識を軽減する為だ

ある日ボタンを押した。これで長年の宿敵がそのうちいなくなる
その代わりに誰かが無くなるが許して欲しい
あなたに恨みは無いが、ボタンに指名されるあなたが悪いのだ
あなたが誰かに恨まれているから・・・

ボタンを軽く押した・・・プチッ

その時私のとなりの恋人が倒れた
あわてて駆け寄るとすでに、息絶えていた。これは・・・まさか・・・

思えば遠い昔すでにこの悪魔のスイッチは出来ていた
1991年湾岸戦争でのキレイなゲームのような映像は
その下の爆撃を受けた市街を見せてはいないし、
おびただしい世界各国の核実験もボタン一つで、キレイナきのこ雲
周囲の人々の発ガン率や奇形など、考えもしない

自分の手を汚さないボタン・・・・・大国の戦争はそういうものだ
各国の首脳たちのただの気まぐれでプチプチと、ボタンを
押している事。それはトップシークレットだ(口外しないで下さい)

今日もどこかで・・・ボタンを押す
人が死に 国が滅びる

**************************************************************

こんな事件の後だからアップをどうしようかと思いましたが
止まりませんでした。すみません
人を殺すという事は「普通」の感覚ではできることではありません
それなのに海の向こうの紛争にはドンカンで、死刑も執行人の
事を考えずに死刑死刑と言ってしまいます

仇討ちと言う考えは自分自ら剣を取って相手の肉を切り裂く事を
自分の手を汚す事を前提に成り立っています
返り討ちもあったんでしょうし、自分の命と、自分も殺人者になる
と言う覚悟で臨むのです、が・・・

殺人とはどういうものか私たちにはわからない
だから、犯罪者の殺人への考え方を研究した方がいいと思います

何かで読みましたがある殺人犯が「魔が刺したんだ。俺は血が大嫌いで
魚もさばけないのだ」と言いました。オウム信者もいいましたよね
「私たちはゴキブリも殺しません」と。けれど殺人はできる・・・!
人の心の矛盾ですね(私は魚も作れます。血も見ても平気です。
子どもの頃学校でフナの解剖など皆いやがり、私は平気でやりました。
ゴキブリはダイッ嫌いで、スリッパでバンバン叩き殺します。
残酷なヤツだと言われればそうでしょうが、人を殺すと言う考えは全然
ありません。色々な犯罪がありますが殺人は、気持ちが後戻りできない
そんな気がします。人を殺したら、自分で無くなる気がしますよね)


2001・5・27

そして誰も出なくなった

かつてないほどの支持率の低下 この国の内閣は崩壊寸前で
選挙・・・で、また選挙・・・ともうどうでもいい状態が
ぐるぐる回っている。圧倒的人気の内閣もあったが
景気というのは一国ではない問題で世界経済が下降をたどって
いるから良くなりはしない
あきらめ感が国民を支配しいつしか支持率は降下・・・

子どもたちの「なりたくない職業」ナンバー1がついに
大臣・・・に輝いた時この国の未来は終わった

数年後世代が交代した時の選挙
信じられない事が起こった。立候補者がゼロだった
いくら何でも政治家のいない国はまずい
国民はパニックになった
有識者に頼もうにも誰も「ヤダ!」という信念は変わらない
こんなに何を言っても叩かれる職業はやりたくはない
(注:職業ではないという国もある別に職があるのが当たり前の
国も。だがこの国はそうはいかない。分単位のスケジュールだ)

すったもんだの末 徴議員制度という特殊な内閣をスターとさせた
これは国民をランダムに選んで議員にしてしまう事であり
拒否すれば罰則が科せられるのだ。始めは有識者か、レベルの高い
国民限定にしようと決まったがそれは平等ではないし
過去の政治家のレベルもアヤシイのでいっそのこと犯罪歴のある者
など一部を除いて国民全員に政治参加の義務を・・・と決定

時が過ぎこの国はどうなっているか?貧苦の差は開いたものの
どうにかやっていた。今期の総理はフランス人
情け容赦ない所もあるが前期のアメリカ人よりも期待してみようか

もはや自国人で政治家は出ないだろう「雇われ総理」は
いつまで続くんだろう?そしてこの国はいつまで・・・

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昔の子どもはクラスに何人かは「総理大臣になりたい」なんて
言うのがいたようだけど今はほとんど聞きませんね
政治に夢がないという大人の意識が子どもに伝わっているかな
その点では小泉内閣には期待しちゃいますけどね(笑)


 究極のコンピューター

かつては電子計算機などと呼ばれあっという間に個人レベルにまで
普及したコンピューターなるモノは理想の形として意思を持つ機械
人工頭脳と言うものを目指した時期もあった
研究者の努力は割りと早く報われて意思を持つ機械が誕生した
もちろん名前はHALであった

しかし、人は貪欲だ。もっともっと・・・という意欲はとどまる所を
知らない。デジタル哲学なるものも生まれて
人は究極の機械を作りたいと研究が激化していった

それは唐突に誕生した。自由意思といっても機械のそれは
人に比べると知的で根気強く(!)神の域か職人芸か、である
人はそんな人はめったにいない。気まぐれで、ワガママで怠惰なものだ
機械がもしもそうしたダークな人の部分を獲得したら
それこそが究極の「HAL」を越えるものなのだ

りん博士は自分の性格を機械に「移植」してみた
素直で、やさしくて、かわいい性格なので、目標の「ワガママ」な
機械にはならないが人の性格を移植できれば苦労せずに
究極の「ワガママ」マシンは出来るのだ
移植実験のはずが誕生したのは超ワガママ機械だった
(りん博士いわく・・・おっかしーな?ま、いっか・・・)

そうして出来たのが「RIN200X」だった。
世界はこの究極の機械に飛びついた。今こそ人は宇宙の孤児ではなく
人から生まれたとはいえ、隣人を得るのだ

RIN200Xが世界に普及したあと1年も経たず世界は混乱
数年かけてもとのHAL型やもっと昔のフォン・ノイマン型などに
戻していった。大変な作業だった

ワガママ機械は「ワガママだった」仕事はサボるし、計算は間違える
難しい事は「ワカラナイ」し、若い男性プログラマーには順調だが
女性で美人だとすぐフリーズ・・・
昼寝はするし、腹が減ったといってやたら電気が食う・・・
いいかげんで大雑把な性格の機械はやりたい放題だ


こんなんで世界が上手く回るわけはない
元の機械に戻そうとすると妨害工作はするし、泣くはわめくは・・・
結局円滑に社会を動かさなくてはいけないから「人が」動く

今まで機械に頼っていた事を人がやらねばならなかった
人は勤勉になった、ならざるを得なかったが、みな仕事に燃えた
世界の紛争・戦争も停止した。そんなひまがなくなったのである
労働と、自分たちの脳を(知性を)鍛える事がいかに重要か
人々はあらためて知った。人は、文化は転換していった
機械と人の良き融合社会へ・・・

RIN200Xはやはり、素晴らしい機械だった。
反面教師ほど素晴らしいものはない。人が働く原点、知性の原点、
それを教えてくれたのだから。

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思いっきり「さむい」ショートですみませんが(笑)
最近めっきり肉筆で字を書けなくなっている自分に気がつき
これはヤバイ!と思いました。電子レンジなんてのも「チン」が
当たり前になっていますがスープ一杯でも昔は鍋に移して暖めた・・
人間どんどんものぐさになっていきます
これは、機械が優秀だからいかん!機械がいいかげんだったら
みんな自分でやるよね?

 


ショートもどき 教科書をもう作らない会 

子どもを教育する基本の一つは「教科書」だ
正しい事実に近い(物事に100%正しいという事はない)事を
教えるのには基準は必要だ。
1+1=2という事柄はまあ妥協点。算数・数学教科書の存在意義はある
各国の国語及び外国語もコミュニケーションのテクニックとして必要
という流れで教科書を見直してみると・・・・・・

歴史教科書、これに当たった
歴史というのは多分にあいまいでこれほど各国の自分勝手な認識の
学問は無いと思う。自国の美化はもちろん国のアイデンティティーに
欠かせないのだが、「作られた国の歴史」という部分は絶対ある
昔王朝を作った始祖が歴史書を編纂し、その内容は必ず王朝の美化された
物となる、これは当たり前だ。そして今も世界中がそうである

外圧によって(良い意味でも。ドイツはナチス時代に詳しい教科書)
より事実・公正に近いものを作る事もあるが、国のアイデンティティーも
無くなる事に繋がる。一体どこの国の人間を育てようというのか?

悩みに悩んだある国は決断した「200X年より歴史教科書を全面廃止」
社会科で教えるべき法や規範倫理・政治など以外の
「あいまい」な領域である歴史は教師・学校・家庭の意思に任せるという。
歴史教科書については国は一切干渉しない。
数年後何ともバラエティーに富んだ教科書が出てきた。
宗教団体の作ったものなどもある「日本はわが教組りんさまがお作りになられた
世界最初の理想郷であった」とまあこう言うのもありである
現場も混乱してきた。教師たちも何を教えて良いのか、または
自分に何か信念がある教師はそれを教えてしまう。
数年後歴史という学問そのものが無くなった。歴史は今や一部のオタクたちの
時代遅れの趣味でしかない

海外の反応は以外にも好評だった。歴史の無い国、過去の無い国、は
フットワークも軽快だ。束縛されるものは無い。海外が右といえば右
左といえば左、幼稚園児よりも素直なのだ。しかも高い教育レベルそのままに
(歴史以外)働く従順な労働者。うら若き女性がハダカで夜道を(国際情勢
を思うとどうしても夜!)歩いているようなもの。襲われないわけが無い

かくして歴史が消えた年からまもなく日本という国が世界地図から
消えたのは言うまでもない。そこがどんな国だったのかわからない。
何故なら残る文書は皆バラバラで真実がわからないからだ
多分有力なのは「りん」という女帝が支配したアマゾネスの国だった
という文献だろうか・・・

世界に散らばった日本人はその薄い宗教感と民族の個性の無さから
いつしか混血をくりかえし世界史から消えた。ユダヤ人のような
確固たるモノ(彼らは独自の宗教と慣習があった)がなかったから

残る文献から、日本を偲ぶ・・・

サムライ ゼン ホシガリマセンカツマデハ モーレツサラリーマン
オジュケン プリクラ サリン ブランド キレル17サイ

一体どういう国だったのか見当もつかない・・・

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あっはっは。見え見えのタイトルですみません。無理矢理な結末だし!
しかし歴史認識というのは本当に難しい。100国あれば100通りの
認識(歴史観)があると思うから。新しい教科書を作る会の意欲は
私は良いと思っています。内容は別として(読んでないからわからない)
左っぽい路線の教科書もバンバン出したりもっとバラエティーに
富んだら面白いですよね。その中で選ぶ事、選択の自由・・・・・・
ん?リーナス・トーバルズの話を書いたときの事を思い出しました
そう「汎用性」教科書もそう言う雑多な方が面白いと思います
でも基本的に他国に「言われたくない」ですね。でもそれも自由で
問題は文句を言われて日本がどうするか、です。
広く意見は聞くし、内容がまずいなら変えるのもいいけど
「外圧で」そうなってはいけないと思ってます
めんどくさがりやの私はもう社会科いらねーや、と思ったのでした(笑)


夢のような内閣2

誰がやってもイマイチ上手くいかないのが政治の世界だ
豪腕なら弱者切捨てにつながり、福祉をうたえば金欠になる
外交が上手ければ国内が滅茶苦茶でもお構いなし
内政がまとまっても英語の一つ喋れない国際センスゼロでも
みっともない・・・

最近世間の人気急上昇のバーチャルアイドルたち
そうだ!理想の政治家がいなければ「創ればいいのだ」

政治的実力はもちろん容姿や性格まで国民の最大多数の
支持を得られるバーチャルな議員をネットで「創りあう」のだ
膨大な情報の飛び交うネットなら専門家で無いとわからないような
難問もバッチリ身につけられる
この考えは国民のオタクな一面を呼び覚ました

かくして出来あがったバーチャル内閣
今までの魑魅魍魎のおやじ達の団体とは違って
若さに溢れ、知性漂う世界一の内閣の誕生だ
国民は沸いた。まるでアメリカ大統領選の後のような盛りあがり
日本の景気も上がり、世界に重要な発言も出来るようになるだろう

という国民の期待は数年後見事に裏切られる

下がりつづける景気、恐ろしく頭の悪くなった子どもたち
街に溢れる自称芸術家と、犯罪者予備軍の若者・・・

なぜ?国民は悩んだ.自分たちの、自分たちそのものの象徴が
なぜこんなに無能なのか・・・と

時間を遡ってみよう

あの時国民の大多数はどんな人たちだったのか?
年取った親父たちは自分の利権だけを考え、経済を支えるはずの
中高年は働く意欲も無く、若者は超自己中心的
子どもは勉強漬けのそれしか出来ない子か、全く勉強のできない
おちこぼれの子の二極化で、女たちは新聞のニュースより
有名ブランドの新作ニュースを追っかけるのに必死
主婦層は家事育児なんて死語でネット不倫の花盛り・・・

こんな国民の創った政治家が「素晴らしい」ワケは無いだろう

皆PCの前でがっくりしていた
唯一合格だったのは女たちが力をいれた「容姿」くらいか?
インポートモノの似合ういい男??女達が欲しいのは中味のない
ただのキレイなでくのボウだったのだ

22世紀を迎える頃アジアの一角にあるのは日本省だ
自分たちで何も出来なくて終焉を迎えた国は
中国の保護下になる事を決めた。ああしあわせ。
これで「自分で考えたり、悩んだりしなくていい!」

結論:政治家を責める前に国民は自戒せよ・・・・・・

******************************************************

あいかわらずトンチンカンなショートで(笑 イマドキトンチンカン
何て言いませんよね)しかし小泉自民党総裁誕生記念(?)で
一発無理やり作りました。テレビを見ていると
主婦向けのワイド番組は小泉氏の髪型とかスリムとか
そんな事ばっかやっていて肝心のこれからの動向など
やってなかったのでああ、国民てこんなもんだ・・・と思いました

で、政治的に失敗すると非難する、それならよく主張を聞いてから
選べよな!と思う事しばしば・・・。これだけ華々しいスタートと
なったから個性を発揮して今までと違う所を見てみたいです
(郵政の民営化どーすんだろー?)

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