昔のノートから

小学生

11歳

1972年  10歳〜11歳

かなしいと心がいっている
なぜって?それは私のせい
だれのせいでもない。

かなしいと思っているのに 毎日なぜわらっているの?
だからだれにも かなしいことはわかってもらえない

わかってほしい
わかってほしい
わたしはかなしいです
生きていることはなぜこんなにも かなしいのですか?でもわかってほしくない
だれにも見られたくない
よわい自分を 見られたくなくて かくしているのだから

大人はきらい
とくに 大人の笑顔がきらい
わらわないで! うそのにおいがするから!
人がいつか大人になるのなら
私は子どものままでいい
大人のなかまにはなりたくない

風の強い日に・・・

私が飛んでいきそうだった
心ぞうのこどうが 高鳴る
このまま空を飛べるのかもしれない
飛行機のように走る・・・ここはかっそうろ!

そして私は落ちたイカルスになった

じっとりと冷たい地面が背中についた
そのいやな感じが私に連想させたもの 「死ぬこと」

みんななぜ自殺するのか
病気や受験戦争 恋?いいえ、ちがうみんな飛びたいから
でも飛べないから・・・

なぜ落ちるのかな 万有引力の法則
ううん、きっと飛んで行かないで、っていうメッセージが
飛ばせないんだと思う お母さんの・・・

****************今のムスコと同じ位の時に書いたノートが実家にありました
いやー、やっぱ女の子だ(一応 笑)今のこのムスコとは
感性全然違うなー。大体私の書くものは子どもの頃から暗かった(笑)

1972年 11歳

今が最悪の時 それは苦しいけれどちょっとうれしい

なぜって、もしも最悪ならばこれ以上悪い事はないから

今が一番下の世界なら、あとは上がって行くだけだから

ワースト・・・先生がベストとかベターとか言う事を

口にする。最高である事、より良い事・・・

けれどそれを続けるにはきっと、努力や運命などの助けがいる

なぜワーストは嫌われるの?

もしも私がワーストワンだとしたら・・・

それは残念だけど、ステキだって思うかもしれない

だってワーストワンなら私の他の人たちはみんな

良い人、ステキな人って事でしょう?

お父さんが夜久しぶりに来ていた

もちろん何か用事でおばあちゃんと話していただけだ

お母さんはお父さんが来ていたのも知らない

だってまだ仕事の時間だから、お店にいたのだ

お父さんはS子ねえちゃんをアパートまで送っていった

(注:父の愛人で後妻となる人。うちの従業員だった)

くやしくて泣いた。でもこの涙はお母さんに知られてはいけない

お母さんをぜったい悲しませたくない

お父さんが私をいらないと言う事、そしてたぶんお母さんの事も

Iちゃん(注:同級生)のお父さんがこの間事故で亡くなった

かわいそうだとみんなが言った。お父さんがいないと泣いた

私はうらやましかった。Iちゃんがお父さんが好きだったこと

きっとお父さんもIちゃんを好きだったこと

亡くなってもお父さんは永遠にIちゃんのものだ

私のお父さんは生きていても、死んでいる

だって私のことなんてお父さんは忘れている

お父さんと呼ばなくなってどれくらいたったのか

もうわからない。2年生くらいまではお父さんが来ると

「お父さん!」と呼べたのに・・・

Iちゃん、わかってくれなくても、私の中でお父さんは死んでいます

長い冬をたえて、やっと咲きかけた白い花

固く乾き凍った地面から顔を出すために

根はどこまでも深く降りて

どこまでも遠くへ広がって

地面のようせいの力を借りてやっと、今咲ける

ああ、そんな小さな花を

ふんでゆく人よ

あなたは花の存在さえも知らない

花は咲いていなかった

あなたの胸のどこにも・・・

そうして花は死んでいく

花もまだ咲いてはいなかったのに

************************************************

自分の子どもがこの年頃だと言うのに、大人になっても
今だに、父を求める子どもなんでしょうか?私は。
まあ取り戻したくても父も他界して時も過ぎました
不思議なんですが、今の方が若い頃よりも悲しいですね
父親は要らない、と突っ張っていたのかもしれません
今は素直に言える「淋しかった」と。
うーん思えば「淋しい」「辛い」などと泣き言を言える
素直さは大人だから・・・かも。えへん!(笑)

注:上記の詩で妖精がひらがなですけど本文もどうだったのです
おいおい、私妖精も書けなかったの?(恥)
でも現在のムスコの国語力よりマシ・・・

なみだを食べてしまう、なみだの木があるという
そこへ行って、私のなみだを、捨ててしまうのに
悲しいメルヘン、なみだの木。遠い昔の幻よ
何故、悲しみなんてあるの?
そう思う時は、まだ、幸せなのだと気づかない
人はみな・・・・・・

1972年 11歳

うらざきさんのおばさんが死んだ。この間「いしき不明」で
たおれて、ずーっと眠っていたらしい。原因は転んで頭を打ったのが
しばらくたって出てきたという。もうおばさんのラーメンは食べられない
もう他の店のラーメンは一生食べない!

10時ごろ亡くなった
まだ生きていくような気がする。死んだのはわかっているけれど
さびしいな。おばさん、どこへ行っちゃったの?
どこかで他の人と会うのかしら?死ぬって何?

天国はどこにあるの?地ごくもあるの?
死ぬって恐い。自分が消えてしまうの?
でも・・・けいちゃんが死にたいって言っていた
死ぬって恐くなくて、天国に行けるのならいい事なの?

**********************

息子現在5年生。彼の生死感は「寝ている時って起きてから、初めて
気がつくというか、寝ているあいだって何にもないよね。死ぬって
そういう事かなあ」という具体的、体験的な考えと
「雲の上から下を見ると自分の家や愛犬や家族がいる」という
画像のようなものと、何かに生まれ変わるという輪廻転生論など
その時によって違うが私と共通しているのは「こわい」と言う事
私は小学生の時友達が「死にたい」と言うのを聞いて
生きているほうが辛いなら死ぬっていい事なのか?と
思ったのかもしれない。子どもは人の言葉で流される・・・・・

中学生になって何をしたかったか.
ずっとずっと夢見ていた.大人になる事.
算数が数学になった.どうしてなんだろう,どう違うんだろう.
英語がとても楽しみだ.英語をしっかり勉強して
大人になったときにアメリカへ行ってみよう.
英語で詩が書きたい.英語でやりたい事がたくさんある.

部活はバスケ。もう気持ちは決まっている.
休みが早く終わって中学へ行きたい.

でも,行きたくない気もする.
スケ番って本当にいるのかな
生意気とか言って呼び出しされるって?
先生も厳しいって?
本当かな.心配だな.

お母さんはいつも働いている
仕事の合間にご飯のしたく。
楽しいことは何?「お前がいれば私は楽しいよ」
私がいると楽しいの?大人はそれで楽しいの?
風邪で熱があった。それでもお母さんの代わりは誰もしない。
ふるさとを離れてお嫁に来て,もちろん一人で。

女の人はそうして一人でがんばるの?
そして私が大人になって,お嫁さんに行けばお母さんはそれでいいと言う。
その頃お母さんはきっとすごく年を取っているんだろう

女に生まれたらみんなそうなの?
これからたくさん勉強して男の子に負けないくらいになったなら
男の人のようになれるのかなあ。
今度生まれて来るなら私は男に生まれたい。
男の子には世界がある,そんな気がするから。

あんなに頭のいいH子ちゃんも大人になってお嫁さんに行って
それでおしまい?お母さんになって?
どうしてかな・・・どうして・・・

(注:幼い頃のこの疑問時代が変わった今でもなんとなく共感しています。
子供ながらのフェミニズム?本当に母は働きずめでしたから
でもひとつわかったのは子供がいること。それが楽しい事。
子どもの寝顔を見るだけでも癒しって感覚です。)

世界の果て

世界の果てはどうなっているの?
昔の人は考えた。きっと海が終わって滝のように流れているに違いない。
滝に落ちると,永遠の暗い世界
地獄という所,永遠の暗い世界。

そこは今は宇宙というけれど昔の人は正しい。
この星しか人がいないならさびしすぎる。
友達のいない世界,しんとして広いだけの世界
やはり宇宙は地獄じゃないのかなあ。

見えるものと見えないもの
どちらが大切かなんてわからない。きっとどちらも大切。
体と心。光と闇。天と地。

でも,大人と子供は?うん。大人はいらない。大人はうその生き物。
いつかわかるなんて言わないで!
いつかなんて本当はきやしないと知っていてうそをつく。
大人はキライ。光の中でも闇の中でもきっと生きていけないずるい生き物。

パンドラって最初の女だったの

あけてはならないものをパンドラの箱なんて言う。
ギリシアの神話などの話を見ていたらパンドラと言う名前があった。
ゼウス(ギリシアの神様だよ)が,わざと人間の世界を混乱させる為に
女神そっくりの肉体と、おまけにアフロディテの魅力とをかけて
人間の女を造ったそうだ。(つくるってこういう字?)
心はすごく悪い女。性格?

なんでこんな事をするんだろう
神様はどこの国でもいじわるだ。
クレオパトラとか悪い女みたいに言われてる。
でも,神様がそう造ったんだから良くないんだよ。
いけないのは神様だ。

で,パンドラはお嫁さんに行った先で開けてはいけない箱を開けてしまう。
中には世の中のあらゆる不幸が入っていたから
それが世界中にまかれてしまったわけだ。
でもさ,開けてはいけない箱を開けるのはパンドラだけじゃない。
男も開けたじゃない?ホラ,浦島太郎!!

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