非P ウィリアム・テン(ウィリアム・テン短編集) 創元推理文庫


思考の網 ヘルベルト・フランケ

トリガー


アンドロイドは電気羊の夢を見るか?


ローラーボール ウィリアム・ハリスン
 ハヤカワ書房 小鷹信光:訳(短編集)


クライム・ゼロ マイクル・コーディー


胎動 マイクル・ビショップ 
   (ハヤカワ 文庫 80年代SF傑作選より)

ある日謎の者たちが地球上の「配置換え」を行った
それは突然の出来事で、リンチバーグの町から目覚めると
セビリアで、しかも人々は暴徒と化していた・・・

私たちは今年テロ事件を見た。それは映像で「観た」のだ
そして爆撃されるアフガニスタンも、進撃する北部同盟も「観た」
たぶん暖かい部屋で食卓を囲みながら・・・
いくら悲惨な映像が届いてもそれは私達には現実ではない
明日飢える心配をしながら観てはいない

この短編はまさに人類の公平な分配とは何か?
資本が世界を覆い持てるものと持たざるものの現実とは?
そんな事を考えさせられる話しである
世界は永遠に「平等」にならないと私は思っている
なぜならそのためには多くを持つものはそれらを持たないものに
分けなければならないからだ。絶対それはできないだろう
上流の富豪が「ほどこし」をする、しかしそれでは解決しない
全世界の「持たざるもの」に分ける分量はそういった「ほどこし」
になる「ゆとり」の分量では足りないからである
オーダーの何十万もの服から980円ぽっきりの服に
一流シェフの高級料理から激安300円切る牛丼に
そのくらい落ちてもまだ足りないかもしれない
やはり米の配給(笑)そこまで「落ちる」勇気が私には無い
貧乏な私がこうだから裕福な層には絶対できないだろう

話は変わって、言語は文化、国という物にとって重要なことである
色々な国はあるけれど日本のように単一言語に近いくらいの
共通語を皆で話す事は国をまとめるなら都合は良い
意思の疎通だけでなく共感しやすくなるからだ

「あなたのおっしゃる謎の”彼ら”が地球全土の人間を配置換え
するのがいいと思った。(略)」(話し相手を求めて同言語を探す)
「古い文化の絆は安定のみなもとなんですよ」
「この混乱は、人々がみずから結束するまでおさまらないわ
それは自然なプロセスだわ、もう始まっているんです。けさ川のほとり
を歩いていたら、同じ言葉を話す人達がそれぞれいくつかのグループを
つくって昨日の死者を葬っていたわ(略)
お互いにつながりを作るか、死ぬかよ、あたしは死にたいと思わない」