読書かんそうぶん
地球・・・へ・・・ (コミック 角川書店)竹宮恵子
わー!驚きました
むかーし夢中になった漫画「地球・・・へ・・・」作:竹宮恵子が
アニメになってます。さっきやっててあわてて録画(笑)
内容は汚染された地球を再生させるために
人類は宇宙で過ごし選べれた市民のみが地球で暮らせる未来
管理された社会のなかで、突然超能力をもった子どもたちが
生まれ始め、それは密かに調べられ、抹殺されていた
っていう内容で、今読んでも(観ても、かな)
決して退屈しない内容だともいます(ちょっと重いけど)
人は自分たちと違う人種を差別、区別する
それは時には団結を生んだり独自の文化を生むけれど
迫害などの差別を生むマイナスは大きいです
イラクなどの国際問題から子どものいじめまで
今の世の中にぴったりな、漫画です
ぜひ読んでみてください、あ、アニメでも(でも同じかどうか?)
2007・4・7
太陽の黙示録 (コミック 小学館)かわぐちかいじ
日本が大地震に襲われ日本列島は2つに分裂してしまう
自力では再生できない日本を、米、中の2大国が援助に入るが
それは分割統治そのものであった・・・
というまるで朝鮮半島のような?状況になった日本を
悪夢をみるように、読んでいます(苦笑)
詳しくは読んでいただくとして(笑)
ひとつ思ったのは台湾の女性総統として登場する人物が
ミャンマーのアウンサンスーチーさんに似ているような気が!
設定も父親の総統のあとを継いでいるようだし
絶対イメージしてるぞ!と思いました
普段日本の中で日本人に囲まれていると
全然気がつかない日本人としてのアイデンティティが
大国やその他の外国との軋轢で
湧き上がる気がします
(あ、会社で外人さんが多いのでたまに彼らと自分たち日本人の
違い、みたいなものを認識する事があり
時折日本人としてのこだわり、を考えたりしますが)
石川県での地震の光景も、ひとごとではなく
高齢化の問題などもあり、色々考えつつ読んだこのシリーズでした
(まだ連載中)
2007/4/7
デスノート 集英社(ジャンプコミックス)小畑健 大場つぐみ
息子の漫画を読んだらハマってしまいました(笑)内容は、死神がノートを落とすのですがそれは名前を書くと書かれた人間は死んでしまうというモノ。拾った主人公は凶悪な犯罪者をノートに書いて「裁いて」いくのですが・・・
犯罪者だからって殺していいのか、という問題も提起できるけれど、凶悪犯罪が起こったとき、超能力がもしもあるならば犯人を捜したいと思うことはあります。だからもしもこんなノートがあったなら許せない犯罪者の名前を書いちゃうかも?
山口県の母子殺害事件の当時18歳の少年犯の無期判決が高裁へ差し戻されました。良かった、と思ったけれどまた時間がかかるのですね。まったく日本の裁判は長い。被害者の遺族の本村さんが以前犯人が死刑にならないのなら自分が殺すと言った事に非難があったらしいのですがもしも自分の家族が殺されたら、同じ気持ちになると思います。
一時期私は死刑反対って時代の流れで世界的に死刑は後進国だと思ったことがありますが、命の重さを思うと感情に司法がついていっても、いいのだと死刑賛成論に今はなっています。結婚、出産と家族が増えていったからかも。愛する人を失った悲しみや苦しみは理屈じゃないから死刑廃止が正しいとしても支持できません。自分の憎しみなどの不の感情を超えることはきっとできないでしょう
という余計な事も考えつつ読んだこの漫画。イマドキの漫画ってこんな感じなのですか?息子も漫画をたくさん読むほうではないので友達が読むと、読むらしい(笑)ちなみに主人公が秀才でスポーツ万能でイケメンだけど、悪い、というパターンは少女漫画にもありますが、それって男女共通のイマドキのあこがれ?
2006/6/25
人間以上 シオドア・スタージョン早川文庫
(古い本なので今あるかどうか不明です)
白痴という人物は、社会との接点も持たず理解もできなかった
しかし、ある少女との出会いで心を開き始める
それは彼に「孤独」という苦しい精神状態をももたらす事になる
少女の死、その後、彼を面倒を見てくれた夫婦に子どもができ
彼はひとりで暮らし始める
ところが、そんな彼に惹かれるように変わった者たちが
集まるようになった。彼らはハンデキャップを持つが
同時に得意な能力も備えた者たちだった
彼らはひとりひとりでは、何もできない個体だが
集団になると素晴らしい能力を発揮する集団生命体となる
だが・・・個人の心が安定してくると集団の能力は弱まって
生命体としての存続の危機、やがて悲劇が・・・
何とも考えさせられるストーリーである
個人が幸福を追求する時、集団としての結束は弱まる
社会のジレンマをうまく描き出しているし
心を開く事の意味も、再考させるような描き方である
孤独とは?
孤独しか知らなかったらわかりはしない
孤独でない時間を知っているから
他人を知っているから
孤独を感じるのだ
人と触れ合うほどに、人はひとりぼっちになる
もしも、自分が孤独でさびしいと思うなら
しあわせを知っている証拠で
それはいい事なのかもしれない 2004/2/5
しあわせの理由 グレッグ・イーガン ハヤカワ文庫
昔の60、70年代のSFを愛する私が、最近の作家の中では
彼が一番お気に入り。そのイーガンの短編集だ
最初の「適切な愛」は事故で瀕死の夫はもう肉体は使い物にならない
しかし、脳だけは生かせる。保険で肉体のクローニングの費用が賄えるが
問題は肉体クローンが完成する2年間の脳の生かし方だった・・・
(あとは読んでからのお楽しみ)
さて。先日の近所の方の事故だが、実は脳の位置がずれてしまっていた
記憶が混乱している。だから救急車を呼んだとき
「落ちていない」と言ったのは意地をはって言ったのではなく
記憶が無かったのかもしれない(でも親類の方は、古い職人だから
絶対落ちたって言わないよ、昔も仕事でケガしても絶対言わなかったから
との事)どちらにしてもデリケートな部分
表からわからないし、やたらに切れないし、当分大変だろう
脳というのは本当は柔らかい。豆腐に例える人は多い
その「豆腐」を硬質ガラスのような頭蓋骨が覆っている
落下の衝撃で中身が傾く事もあるという(話を聞いた時ちょっと怖かった)
心は脳に宿るのか
肉体も含めて心なのか、人なのか
職人さんは脳を損傷した(体は大丈夫だそうだ)
本の男は肉体を損傷した
でも、家族の願いは同じだ
早く治って、帰ってきて・・・・・・・・・2003/7/23
光の帝国 常野物語 恩田陸 集英社文庫
すらすらと本を暗記してしまう脅威の能力(しまう、という)
その他天才という以上の能力に恵まれる「常野」の人々は
温和でひっそりと暮らす「ふつうの」人であった
彼らの生活のエピソードや、何かに追われ怯える事、哀しい記録
それらをオムニバス形式で描いてゆく
第一話の「引き出し」は彼らの能力のひとつ、脅威の記憶力について
描かれている。しかもそれは単なる記憶でなく、ある日
頭に映画のように?パノラマのように自分のものとなる
それは、活字媒体の読書での体験に似ている、と思った
息子に「本て面白い?ビデオとかの方がいいじゃん。字じゃつまらないよ」
と言われてこんな説明をした事がある
「本は面白いよ。読んでるとさ、頭の中で映画みたいに想像して
自分だけの映画が見えるっていうか」
読書は字を読むにあらず。映像媒体で育った息子には読書は
文字攻めの苦悩でしかないのだが(苦笑)もったいない
ところで。人より優れている、と言う事はうらやましいばかりだと
無能な私としては思うが、「持てない」事と「持ちすぎる」事は
もしかすると同じなのかもしれない
出る杭は打たれる・・・優れているが故に、他人に傷つけられる
何と悲しい事だろう。無知な事、バカな事は、他人から愛される条件
その愛がうわべだけであっても、脳の無さが身を守る
そんな世界はイヤだけど、現実とはそういうものかもしれない
優秀で、それが表に出るならば、同時に強さも要る
優秀で他人を従え、かつに非難を跳ね返す強さ・・・
優秀になりたいか?
「持てる者」になりたいか?
と問われたらどう答えよう?
優秀になって人の羨望の視線を浴びてみたい・・・とちょっとは思う
脳ある鷹は爪隠す。もしも才能をもらったら
見せびらかしたい、と思うから、やっぱり私はバカモノだ(笑)
2003/7/23