ショートもどき5
一人の命は地球よりも重い
私の愛する息子が人質に取られた
犯人の要求は対核兵器バリアーの解除だ
むろんそれを解けば即いくつもの国から
核が飛んで来る
議長は言った
「お気の毒です。ご子息は国家の礎石に
神になられたと思ってあきらめてください」
議会は満場一致で息子の命をあきらめた
国家の長たるもの、私念で動いてはならない
私はこの国の長・・・
本当か?本当か?本当に?
息子の命よりも国が大事なのか?
あの時A大臣の娘は13歳。年取って出来た子だと
大臣は可愛がっていた・・・
B大臣の息子は優秀で将来自分は医者になって
人の命を救うのだと言っていた12歳
国1,2を争う企業家Cの妻は・・・
熱心な教師だったDは・・・
数え切れない命が散って
その時私たちは・・・私は・・・
国家を優先してきた
そして今自分の家族と国を秤にかけられ
国が重いと知った
犯人へ回答しななければならない時刻
私は非常回路を開いた・・・
そう、対核兵器バリアの解除操作盤だ
迷いは無かった・・・少しも!
天国への階段と言うものが在るならば
皆は今それを見るだろう
息子がこの腕に帰るかどうかはわからない
そうだとしても、息子が帰る国はもう無くなるのだ
私は国家よりも個を選んだ
国が廃墟と化すよりも、息子にもう一度会いたいと言う
それだけの思いで・・・
天国は美しいだろうか?
それとも罪を犯した私は地獄に落ちるだろうか?
どちらにしても、息子を失って生きる地獄よりも
素晴らしい場所に違いない・・・
******************
これは私がもしもそう言う立場なら?と思って書きました
自分勝手ですよね。でもきっと個人にとってはまさに
「一人の命は地球よりも重い」んです
このクサイ言葉を個人に当てはめると本当にぴったりです
私には息子ひとりと100人の命は、息子のほうが重いです
が、公に当てはめるなら逆の答えになりますね
最大多数の最大幸福・・・!
これに賛同するには条件があります
自分にその不幸が当たっていないという条件、です
特攻隊などで片道燃料で死に行った若者とその親
国家による思想教育でそれさえ受け入れた時代を
不幸だと思うし、今回のテロ事件は、悲しい事や
怒り・・・そんな諸々のものを閉じ込めないで
欲しいですね。家族や周りの人々はそれらの感情を
出す権利があるはずですから・・・
亡くなったダニエル・パール記者に合掌
あなたと家族の願う天国へ逝ける様に・・・
王者の資格
昔広大な王国を持つ王がいた
彼には幾人かの王子がいた
誰を後継ぎにするか、判断に迷っていた
まだ子どもである王子たちの資質を
どうやって見極めるか・・・
幼い王子の世話係は何人もいるが
中でも王子をひざに乗せる係は大変であった
椅子と違い体温で適度に温かく
王子の自然な動きを妨げない
最高級の椅子といえた(人間椅子?江戸川乱歩か 笑)
しかし係の苦労は大変なものである
長時間子どもとはいえ体重を支えるのだから
足腰はしびれ体力を使い果たす
その割に栄誉ある仕事だとみなされない
ある時係が重みに耐えかねて腕を動かした
はずみで王子が床にしりもちをついた
「申し訳ございません!」ひれ伏す女に
王子は怒鳴った「死ね!」
控える兵士が女を切った・・・
王はその光景を見て彼は勇猛である
王者の風格はあると思った
人間椅子はその性質上どうしても
時折身体を動かし王子の身体も何らかのアクションが
起こる。王は思った
人間椅子と王子の対応で性格が見えそうだ、と
さて。2人目の王子が人間椅子に座っていると
係が腕のしびれで軽く腕を動かした折
王子の顔に当たってしまった
王子を事故とはいえ殴ってしまったのである
女は打ち首は覚悟だが、なお万分の一の慈悲を願った
「申し訳ございません!」
剣に手をかける家臣、だが王子はそれを制した
「以後気をつけるように」咎めが無い事を知り
係の女もその場にいた多くの者も驚愕した
女たちは涙を流し、家臣は慈悲ある王子と感嘆した
王はその光景を見てこの王子は人心をつかめる
優れた王者だと思った
3人目の王子は椅子にもたれていた
日差しはまどろむのにちょうど良い心地よさである
寝息を立て始めた王子を人間椅子の女はそっと
寝台へ運ぼうとした。が今一歩の所で王子を起こしてしまった
動揺する女・・・そして寝台から転がる王子
女は青くなって床に突っ伏した
「申し訳ございません!」
剣に手をかける家臣、王子は言った
「この者をどうするか、おまえたちで決めるが良い
決して一人の言葉でなく皆で決めるように」
奇異なことを言う王子だと誰もが思った
審判を下すのは神の子である王と王子たちしかいない
それを家臣に託すなどと。困惑する家臣たち
意を決した椅子係の女は自害した
一同胸をなでおろした
王はその光景を見てこの王子の考えが分からなかった
王たる者は迷ったり人に委ねたりするものではない
この王子には王たる資質は欠けている
後継ぎにはふさわしくは無いだろう、王はそう思った
しばらくして隣国との国交が不穏になってきた
王の片腕として成長した2人の王子は頼もしかった
が、ある時勇猛な一人目の王子が亡くなった
毒を盛られたのだった。敵国からの間者かと思えば
王子に打ち首にされた者の家族の一人の仕業であった
残された二人目の王子は妻を娶り王の後継ぎになった
が、彼もまた刃に倒れた。妻は隣国からの間者で
それを知った王子であったが慈悲をこう妻を信じ許した
が、妻は改心したのではなかった
妻は筋金入りの間者なのだから。かくして王子は妻の刃に・・・
力を落とした王に残されたのは王者の風格の無い
3人目の王子だけだった。
仕方が無く3人目に王位継承権を移すと政権を握った王子は
隣国へ出向きなんと勝手に和平を結んでしまった
条件は隣国有利のものであり王も家臣も激怒した
だが戦乱を避けられ国の大部分を占める民衆は喜んでいた
3人目の王子は王の手にかかって死んだ
「おまえは王者にふさわしくは無い」王は無念を抱きつつ
そう言った。息絶える時王子は言った
「私の裁きは時がしてくれるでしょう」
王子の死に伴い和平は破棄。戦乱が戻った
両国死力を尽くして戦った。王は戦死し隣国の王もまた死に。
時は流れた。両国はその遺跡にのみ残って
その場所には広大な新しい国があった
遺跡は力は滅びの象徴として語られている
平和とは力をいかに押さえるか、であり
もっとも力の要る事が平和の維持である、と
王として辛いのは「王として死ぬこと」では無く
王の名を尊厳を捨てることだという
その死ぬより辛い事をもって、頭をたれる
和平とはそう言うものかもしれない
そんなことを考える一人の学生と傍らの恋人
彼らの血が遠い両国とつながっていることなど
知らないし、必要も無い・・・
若い恋人たちは古のロマンの話から
明日に迫った試験にと話を変えていた
***********************
これは何と今朝、アラビア風の美女の「人間椅子」に
王子様が座っているというの夢で目がさめたので
ショートにしてみたのです
何が強いということなのか、考えてみました
でも平和というのはかなり難しい(維持はなお)
こどもでも「ごめんなさい」「ありがとう」は
言いにくいものです。大人も、でしょう
勇気とはそう言うことかもしれません
混血し民族として消えた多くの国の中
特異な環境で国土を失いつつも存続し続けたユダヤ人の
事も頭をかすめました。イスラエル建国のごり押しが
無かったら?今の中東問題はどうだったでしょう?
鳩の群れ
私は会社を経営している
この不景気でもマアマアの実績を上げている
新進気鋭とは言わないが
対人のよさでかなり取引上得をするし
社員へのあたりも評判が良いらしく
皆イマドキの遊びたい年齢にしては
仕事熱心にやってくれている
私は金儲けが好きというわけではない
私は人に「何か」をあげる行為が好きなのだ
年末待望のボーナス
ボーナスはなるべく多くを出した
手渡す時皆感謝の言葉を述べた
私は嬉しかった
(当社は銀行振込はしない
給料は全て私じきじきの手渡しだ
それは喜ぶ社員の顔を見たいからだ)
今日は社用で出ている
おっと昼をまだ取っていなかった
時間も無いので、すぐ目に入った公園で
コンビニの弁当を買って食べる事にした
ガサガサ
弁当を広げていると鳩たちがいつのまにか
足元に集まってきた
「鳩に餌を与えないで下さい」という字が目に入ったが
こちらを一斉に見つめる彼らの目に負けて
弁当の飯粒を落としてやった
ポト・・・ポト・・・
飯粒が地面に落ちるたびに鳩はざあっと寄って来る
そしてたぶん強い者からなのだろう
前列に陣取ったモノが列を離れてからひ弱そうなモノが
やっと「おこぼれ」にありつく
私は結局弁当の大半を鳩にやってしまっていた
けれど、とてもいい気分だ
小さい頃金魚を飼っていた時餌の時間が楽しみだった
水槽をカツカツと叩くだけで金魚は寄ってくるようになる
あんなに無知そうな生き物が、だ
他にも犬や猫、色々な生き物を飼っていたけれど
餌をやる時がたまらなく好きだった
私の手からこぼれる餌に群がる奴隷
私はその時神になれる
私が会社をやっている理由
それはただひとえに社員が給料をもらう時に
あの生き物たちを重ねるからだ
私は今、人間を飼っている
私のかわいい家畜
さあ、がんばろう
まだ仕事は残っている
かわいい社員の為に稼いでこよう・・・
******************************************
オチの無い話です。駅で電車を待っている時鳩が来るんです
餌をやってはいけないので我慢したのですが
鳩って餌をやるのが面白いんですよ。クッキーなどパラパラと
蒔くとわーっと寄ってきて、よく見ると力関係もあって
弱そうな奴は食べれないし、追いかけられて逃げていたり。
と、そんな風景とサラリーマン風の人が妙にマッチして
こんな話しを書きました
思えばサラリーマンというのは鳩のようなものだな、何てね
それにしても、こんな奴に雇われたくは無いですね(笑)
でも、やっぱいいかも。お給料は多いほうがいい!?
ふたりの天使
その母親は病床の娘の手を握った
泣いてはいけない 泣いてはいけない 泣いては・・・
最期まで心配をかけてはいけない
笑顔で送ってやろうと母親は人生最大の演技をした
「大丈夫よ、元気になるから」
でも娘にはわかっていた
自分がもう消えてゆくことを
「お母さん もっと生きていたかった」
涙も枯れて手を握り返す力もない それでも
娘はそう訴えた
数年が過ぎた
娘を失った母は傷は残ったままでも静かに暮らしていた
母親にはもうひとり娘がいた
その子は元気な肉体を持っていた
健康な肉体と明るい笑顔
けれどいつからか気がつくとその顔からは笑顔は消えていた
ある日母親が家に帰ると娘は倒れていた
娘は死のうとしていた
なぜ?
なぜ?
病院のベッドはあの、娘を失った時のようだった
母親は娘の手を取った
「なぜ?あなたは生きてゆけるのに」
娘はつぶやくように答えた
「生きていたくないの」
少し経ってまたつぶやいた
「お姉ちゃんがお母さんの心を持っていってしまったから」
私のせい?
娘はそれから後この世を去った
母親は生きている
なぜ? わからないけれど 娘たちを失った今
生きる意味は無い そう思いながら 永遠に癒えぬ傷を抱えながら
生きてゆく
その手に顔に、増えてゆく皺は まるで心の痛みのようだ
今日の空は灰色だ
あの子たちが逝った日のように
天使が昇っていった日のように
*****************************
これは実話でもあります
実際は6人の子どもを持つ母が男の子3人を戦争に取られて
(夫も戦争で亡くした)
亡くし残った娘は病と自殺で亡くしたという
そして母親は娘が自殺した時言ったそうです
「お姉ちゃんは生きたかったんだよ!なんでアンタが死ぬの!」
だからひとりになっても生きていこうと思ったんだと
それを話してくれた人は10年前に亡くなりました
ひとり暮しの方でした
自分のことだったのか、どうかわからないけど
小さな仏壇にいつも話しかけるようでした
死に向かう人がいて、反対に残される人がいる
残される人は傷を負って生きていくのです
自分が大切に思った人を失った悲しみ
自分がその死を止められなかった後悔と非力
ではそんな自分が生きていてもいいのかという罪の意識
それら荷物を背負って長い行軍をする手負いの兵士のように
画面の前のあなたに。死なないで下さい
もしもあなたが死んだのならあなたに残される人は
いつも心のどこかを疼かせながら生ねばならないでしょう
生きてゆく意味はわかりはしないけれど
生きていることがムダなだけでもないと
私は今泣いている
なぜかわからないけど、自分の無力を感じている
私にできる事はなにもないから
ただ「思う」だけ
そう、誰も逝かないで欲しいから
「細い魔法の糸」を通じてメッセージを送ります
時の始まり
昔 世界に時間というものは無かった
永遠の楽園 永遠の命
そこに時間など必要は無かった
神々はただ そこにいるだけで良かった
慈愛と平和,美しい世界
それを退屈と思ったイタズラな神がいた
ある日気まぐれに箱庭のようなちっぽけな世界を
作った神はその世界から愛を取り去った
箱庭の中は瞬く間に 混乱と悲しみ,怒りの
嵐のような世界になった
神は困った
見た事も無い悲しみに、人々の醜さに
なす術も無かった
壊そうか・・・
そう思って壊す前に箱庭に入ってみることにした
知りたかったのである
混乱と言う刺激を・・・
降り立った世界は悪と闇と醜さの世界だった
彼は首を振り得るものはやはり無かったと
戻ろうとしたその時
泥にまみれた手が彼をつかんだ
「食べ物を・・・」力尽きようとしたその時
同情からか彼は一切れのパンを出してしまった
そのパンを奪って貪り食う・・・その後
一握りの切れ端を彼に戻した
「アンタの分だろ?」そして立ち去ろうとしたその時
聞こえてきた「ありがとう」
箱庭にあるものは混沌だ。それしかない
しかし何でもあるのかもしれない
神の国以上のモノが
彼は箱庭をずっと見守る事にした
時折聞こえる人々の苦渋の声
彼は恵みを与えようと思った
それは・・・時間だ
苦しみも悲しみも永遠に続くなら
生きる事は残酷でしかない
永遠を取り去って「いつか苦しみは終わる」と
肩をたたいてあげる事は慈悲である
わずかに箱庭に芽生える幸福さえも
永遠ならば色あせる
神から時間をもらった箱庭の住人は
その時間の中で泣き笑い・・・生きるのである
幸せとは限られた人生だから味わえるのだ
神の気まぐれな箱庭
いつ捨てられるかもわかりはしない
けれど、小さな箱庭の中で私は生きていく
そう・・・時間という限られた恵みを味わいながら
神の石
私たちの住む町には「神の石」がある
そこは大きな公園で子どもが遊び、恋人達が愛を語り、人が集う場だ
私は「神の石」が好きだ
小さな頃から見慣れた曲線はやさしい
いつからそこにあったか、なぜ神の石と呼ばれたか
難しい事は知らないけれど(学校で習ったが私は劣等生だから)
あれは私の石だった
大人になり妻子を持ち、ある日子どもと散歩に「石」の場所へきた
子どもが私に聞いた「お父さん、あれは神様の石なの?」
そうだよとやさしく抱きしめる
抱き寄せて石を指差す私に子どもは言う
「お父さんが幸せですように」
私は初めて悟った
日の光に照らされた無邪気な笑顔
この人が、この人こそが・・・
「神の石」それは確かに「神を呼ぶ石」だったのだ
人を集わせ、人をつなぎ、そこに温かな手を存在させる技
公園に集う人々、数々の泣き笑い
嘆く神、微笑む神・・・神に囲まれて人は生きる
手を伸ばそう。そこにきっとあなたの「神」はいるだろう
そしてあなたが、私が、誰かにとって「神」であるように、と
私は「神の石」に祈る・・・人の世に幸いあれ・・・
*************************************************
ちっとはおめでたい話を(笑)神の石というのはもちろん
私の地域にはありません(検索しようとしたあなた、無いぞ― 笑)
同じ時間を生きている人こそが大事な人だと私は思うのです
ちなみにHPでいくと・・・見てくれたあなたは・・・
お客様は神様です!ということに!
無題
もしも、世界にひとりぼっちだったら
美しい必要は無い
ひとりきりなら
見てくれる人がいないなら
そんな概念は無くなる
ひとりぼっちだったら
淋しいという気持ちも消えてゆく
人がいてこそ、淋しいと感じるから
敵も味方もいない
嫌われたり好かれたりもない
そんな場所では淋しくなんて無い
人がなぜ孤独に惹かれ
人はなぜ孤独を恐れるのか
神はなぜ人をひとりで生きられぬよう造ったのか
答えは
神こそが孤独で人を求めているからかもしれない
夜波の音を聞きたくて
耳を済ます
私の中の波音が聞こえ始める
そこには誰もいない
真冬の海
私は叫ぶ
誰かいないか?
誰か?
波音に涙して、いつしか眠りに落ちた
朝また雑多な世界へ向かうために・・・
宝物
女は一心不乱に地面を掘りつづけた
ここでもない、あそこにもない・・・
何日も何日もひたすらに、土を掘り返した
指先は血がにじみ 皮はむけても
何も感じないかのように土に指を当て続ける
そしてある日
女はついに探し物を見つけた
ひとつ・・・ふたつ・・・みっつ・・・
ここらにはいくつも埋まっているらしかった
宝物
彼女はそっと葉っぱで印をしてそこを去った
数日後ひとりの兵士が彼女に誘われてそこへ来たあ
肌を出した服は脱ぎ掛けで もはや服と言うよりも
布であった
兵士はにやりと笑うと手招きする彼女の方へ近寄った
地響きがするような音とともに兵士の体が飛んだ
宝物 ひとつ減った
彼女は笑った
そうして男たちを招いては死に追いやった
ローレライ・・・そう至高の誘い・・・死への歌声・・・
宝物を見つけるたびに 男たちを誘って
ある日たったひとつ残ったそれに
彼女は歩み寄った
これは人生最期の宝物
愛しい夫と子どもの待つ国へ私を連れていくもの
爆音のあと転がっていた女の顔は笑っていたという
**************************************************
見え見えのショートですが、ご想像どおり地雷の話です
もしも自分なら復讐するだろうと私は書きました
でも復讐の後きっと何も残らないと思うんですね
愛する人を失った喪失感に生きる意欲は無くなると・・・
もうひとつ 地雷の事も言いたかったです
戦争に地雷はつき物と言いますが、地雷が殺したり傷つけるのは
ほとんどが農民や一般の人、子ども、などです
こんな兵器を許し続けていいのかと、そう思います
地雷は戦力上必要な武器らしく、たぶん国力(一般の人)を
弱めようとのことでしょうが、そうして「戦争」の意味もわからない
人たちを犠牲にしていくんです
以前私は日本人の戦争責任について、当時の一般国民に
罪は無いと言った事がありました。それは今現在のアフガンの人も
そうだと思います。わからぬまま流されてしまったのです
地雷を巻いた先進国はその数だけ人間性を減らす事だと思います
世界から軍隊の無くなった日
某国で、自衛隊は軍隊であると憲法改正した200X年から
軍国化するかと思ったら平和教育にどっぷり浸かった国民の
特に若者は「戦争なんて怖くて行けない」と軍隊に入る者は
数年前に比べ減っていた
世界情勢は相変わらず悪く、このままでは国はいつか他国の
襲撃を受け消えてしまうかもしれない
そこで、わが国の歴史上最大の国際支援を打ち出した
「平和教育」である
これは予想以上に困難で金のかかることであった
そして時間もかかった・・・が・・・こういう地道な努力は
実るものである。いつしか世界中の国は平和となり
大きな国家間争いも、あんなに根の深い内紛もほとんど消えた
平和の観念が世界を包む。かつての某国の若者のように
どこの国でも若者は兵士に志願する事は無くなった
つまり兵士がいなくなって軍隊も自動的に消えたのである
平和教育の根幹は「自分の命」である「死にたくない」から
殺さない、という単純な概念だ
さてさて・・・もう少し時間を送ってみようか?
世界は平和な天国のような愛いっぱいの楽園になっているかな
私は映像に驚いた。何故ならそこはスラム化した廃墟のような
都市だったからだ。昔トウキョウと呼ばれた場所だ
世界中の主要都市は似たようなものだった
今度は過去のニュースデータを見た。すると・・・
平和化するにつれて凶悪犯罪や猟奇犯罪が増えていったらしい
人は平和に,本当は向いていないのか?
さらに未来を検索すると、なんと整然とした都市があった
荒れ狂う若者もいないし、犯罪率は低い
バンザイ。ついに人は理想社会へたどり着いたのだ・・・?
ん?よく見るとかなり国家(または何がしかの団体)に個人は
統制されて生活している。犯罪率の低い地域ほど統制が厳しい
そして・・・世界のあちこちには見慣れた施設が点在していた
そう、それは・・・軍備施設
結局軍拡は進み世界は「何の疑問も許されず」・・・持たず,
ではない。持っているかもしれないが口に出せないのだ・・・
戦火に覆われてゆく。星が修復不可能なほどの大戦に向かって。
この「現実未来ゲーム」は何度シュミレーションしても
結果が同じになった。これは同じ結果しかプログラムされて
いないようだった。つまらないゲームだ
私は傍らでくつろぐ恋人にブツブツ言った
「なんでこのゲーム平和なハッピーエンドじゃないの!?」
彼は平然と笑って答えた
「決まっているじゃないか。実験体の原始生物の知能が低すぎて
平和という概念は持てないからだよ。第一、高等生物をこんな
ゲームに使うわけ無いじゃないか。殺戮が本能という野蛮な
生物だけを媒体にしているんだからね」
そう。媒体に使っている生物はなぜか進化の為に「淘汰」を
必要としていた。つまり強いものが生き続け,優秀でも弱いなら
その遺伝子は絶える(他によって滅ぼされるから)
そうよね・・・私は思った。こんなゲームに、はまった私が
ものすごく恥ずかしかった。でも・・・無知な好戦的な生物が
もしも平和と言う概念を持ちえたら?
そのゲームの中の世界は理想郷になると思うのに、そして
その生物は私たちに近くなるのに・・・
原始生物が常に願うもの「神」それが私たちを指すのだと
ゲーム中に知った時私は感激した。彼らは私たちを望んでいる
彼らはもしかして,平和をも,望んで・・・?
ワクワクした。明日もゲームをやってみようかな
彼には内緒(くだらない,と怒られそうだから)
もしかしたら、原始生物にも平和という概念が芽生えて
理想郷が作られて,私たちに近い生き物になるかも!?
そう思うと何故かウレシイのだ
なぜならば私たちは宇宙で現存する唯一の知的生命体で
「トモダチ」を求めているから・・・
*********************************************
自衛隊のインド洋派遣で「行かされる隊員の気持ちを考えろ
自分が’(政府が)行け!」と言う反対派の声
「自衛隊は徴兵(強制)ではない。戦争行為が嫌ならば
始めから入隊しなければいい」という声
色々な声があるようだ。派遣の是非はともかく、この徴兵ではない
と言う点に私は注目した。うーん,確かに。
軍隊は国には必要だ、が,そう思っていない人もいる
ならば徴兵制度は出来ないし?すると、もしも誰も自衛隊に
入隊しなくなったら?日本から軍隊は消えてしまうんだろうか?
というお子ちゃま並の疑問からこの話はひらめいた、が・・・
そのうち世界中の軍隊が無かったら?平和は来るのか?になって
結論・・・私の乏しい想像力で人類が武器を持たない日を
想像する事はムズカシイと判断(笑)
でも、まあ,信じてみようか?下等な私たちでも「平和」を
持てるのだと?
寿命2 西暦2***年
長寿とはいえ、いつかやってくる寿命は社会の不安の種だ
昔は哲学だとか宗教だとか、無意味なものに
その不安解消を求めていたらしい
一定の効果はあったようだが、決定打ではなく
多くの人はだまって運命を受け入れたのだろう
さて寿命がさらに伸びて200年近く延びた現代
肉体の限界120年を超えると、200年までは
案外易々と記録更新していった
今また限界である。スポーツの記録もそうであるが
階段のように段階的になって、停滞と延びる時期があり
そして・・・臨界点
もしかしたらこれ以上寿命は延びないかもしれないという
恐怖心が社会に広がり若者はクスリに走り始める
若者?そう、外見は若者ばかりなのだ
だが精神は?・・・精神もまた若者だ
私たちは肉体年齢にこだわるあまり精神の成熟と言うものを
軽んじてきたのだ。精神の成熟は、昔の人に
死や老いを受け入れる心の土台をもたらした、だが
見かけばかりの社会の現在、大人と呼べる人はわずかばかり
流行中の薬物は幻覚や精神荒廃は、昔のそれと同じだったが
不死だとか寿命を延ばす効果だとか、うわさが流れて
そのため蔓延していったようだった
いけない・・・でも、死ぬ事よりも悪い事はあるんだろうか?
ある日そう思った私は禁断のクスリを購入した
これでもしかしたら、不死は無理としても
もっと生きられるかもしれない?
私はその小さな粒を全て飲み込んだ
のどに引っかかりうまく飲み込めない
私は栄養ドリンクで、一気に流し込んだ
私は幻覚の中にいた
美しい世界がそこにあった
良い香りが漂っている
そこに誰かが立っていた 誰?
影はそれに答えず 私に問い掛ける
「永遠に生きたいか?」
私は答える「もちろんよ!」
私は幻覚の中で「契約」した
クスリが切れ、目が覚めると私はうれしくなった
あれがうわさの「永遠の命なのね」
しばらくして目の前が暗くなった
目の前に段々あの時の「幻覚」の世界が見えてきた
影が言った
「ようこそ 永遠の世界へ」
眼下には冷たくなった私の肉体だったものが
横たわっていた・・・・
**********************************************
昨日の寿命のショートの続編です(どこがや)
肉体の寿命が現段階では120歳くらいだと
何かで読みました。きっと寿命が延びても
人はもっと生きていたいと、願うんでしょうね
実際に明治あたりは日本人の平均寿命は60歳にも
満たなかったらしいですが、80歳くらいまで
伸びた今でも、もっと健康を!もっと長生きを!
という願望はありますね
でも結局「永遠」はないのだと、永遠とは「死」であると
例によって暗いオチ(笑)
でもついでにテレビでの若者の薬物の事件を見て
薬物はいいことないぞ―と、脅しも込めて見ました
昔「人間やめますか?それともクスリやめますか」
ってな標語がありましたが、もっと突っ込んで
「薬物やめますか?それとも死にますか?」ってどう?